2013年4月21日日曜日

退院/生後5日・0ヶ月目


 日齢5日、週齢0週、月齢0ヶ月目。

 入院出産から6日目。母子ともに経過順調につき、退院となる。

 出産のだいぶ前から、退院の日には病院の外で記念撮影をしようと夫婦で話あっていた。
 病院の敷地内には立派な桜の木がある。出産予定日の4月10日には、さぞ美しい桜吹雪が見られるだろから、この子の名前の由来でもある桜の木の下で、家族みんなで記念写真を撮ろうと思ったのだ。
 そのため、少し特別なベビードレスを発注し、わざわざ一眼レフまで持参して、私達夫婦は退院にのぞんだ。

 しかし、用意していたドレスは付属の帽子がぶかぶかで、せっかくの顔が隠れてしまう。帽子はあきらめ、白いレースの綺麗なおくるみに包んだが、退院当日は日曜日、お世話になった助産師さんたちは誰もおらず、レースを見せびらかす相手もいない。
 さらに、この年は例年に比べ桜の開花が早かったため、退院時には桜の花など見る影もない。散り散りになった花びらがアスファルトにへばりつくのみ。
 そしてトドメを刺すかのごとく、比較的強い勢いの、雨、雨、雨。
 
 事前の計画がなにひとつ実現しない、残念な退院であったが、腕の中ですやすやと眠る小さい生き物を見ていると、そんな瑣末な出来事がどうでもよくなるくらい、嬉しい気持ちになったのをよく覚えている。

 さて、子供を連れてはじめての帰宅。
 わが家では猫を一匹飼っているが、この猫ちゃんが赤ちゃんに対しどのような反応を示すのかは、興味津々であった。

 ひっかく、かじる、上に乗っかる、などの挙動を心配していたが、それは杞憂であった。猫ちゃんは、少し離れたところから、じーっと赤ちゃんを観察している。元々、攻撃的ではなく、おとなしい、どちらかというと臆病な性格の猫であったので、予想どおりの反応ではある。

 猫は、出産前と特に変わることなく、一週間ぶりに帰ってきた妻に、喉をごろごろとならしながら甘えていた。

0 件のコメント:

コメントを投稿